4章 全体論

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4-1 全体論とは?心と体は繋がっている

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全体論とは、意識と無意識、理性と感情、心と体など人を分割させることはない(できない)という考え方です。
2面性を持っている人も、実は一つの目的に向かっていてその目的を達成するために2面性になっていると考えます。
ちなみに、行動主義心理学やフロイトの精神分析学のような『自然科学的心理学』は人間を心と体・理性と感情・意識と無意識などの部分に分けて、その各々の部分を研究します。
このように、部分のはたらきを調べて、そうして得られた知識を集めて人間を知ろうとする研究方法を『要素論』または『還元論』といいます。
上記のように、意識や感情、心、体、全ては目的のために使用されるという考え方から『使用の心理学』ともいわれています。

4-2 感情は目的を達成するための道具


『ついカッとなってしまった』という経験はございませんか?
『あの状況なら誰しもカッとなってしまう、不可抗力な場面だった』そう感じた経験がある方は少なくないと思います。
しかしアドラー心理学ではどのような状況だとしても『ついカッとなってしまった』のではなく、『自分の目的を達成するために感情を使った』と考えます。
感情=道具ということです。
具体的な例で考えていきましょう。

例1)買ったばかりの高級なコートにカフェの店員さんがコーヒーをこぼしたので、カッとなり店員を怒鳴りつけた

adler-com_banner15 この状況に陥った時、100人中100人がカッとなりますか?
全員とは言い切れませんよね。つまりその事実とカッとなることの因果関係はないということになります。
不可抗力的なものは存在しないということです。
もし仮にカッとなってしまう人たちに目的があるとしたら、どのような目的が考えられるでしょうか?

・店員に自分の悲しい気持ちを分からせたかった
・店員を屈服させて言うことを聞かせたかった

などの目的が考えられます。
この目的を叶えるために『怒鳴りつける』という選択をしたのではないでしょうか?
この『怒鳴りつける』という選択をするために、怒りという感情を使ったのではないでしょうか?

わざわざ怒鳴りつけなくても、言葉で説明すれば店員さんは丁重にお詫びもしたでしょうし、きれいな布巾で拭き取るなど、しかるべき措置もとったはずです。あるいはクリーニングの手配さえしてくれたかもしれません。
しかし、言葉で説明する手順を面倒に感じ、より簡単な手段で目的を達成しようとした。その道具として、怒りの感情を使ったということです。

4-3 感情は価値観から生み出される排出物

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よく『感情をコントロールする方法』のようなタイトルで、気持ちを落ち着かせる方法などが語られていますが、これらは一瞬自分の気持ちを静めるための小手先のテクニックでしかありません。
もしまた同じような状況に陥ってしまったら、次は感情的になってしまうからです。
いずれにしても、自分の感情を抑え潰すということはあまり気持ちの良いものではないでしょう。
アドラー心理学では感情を「ライフスタイル(価値観)から生み出される排出物」だと考えます。
排出物ですから、コントロールしようとしても不可能ですし、コントロールしたところで次回も生かせるとは限りません。
大事なのは根底にあるライフスタイル(価値観)を変えること。ここに着目できなければ一生同じ悩みを抱え続けるでしょう。
もし、あなたが今楽しい人生を送れていないと感じるのであれば、感情的な日々を送っていて苦しいと感じるのであれば、まずはあなたのライフスタイル着目してみましょう。
意外な糸口が見えてくるかもしれません。

4-4 なんのためにあなたは怒るのか?


最近あなたは何について怒りましたか?腹が立ちましたか?そして、あなたは何のために怒ったのでしょうか?
「何のために」と聞かれてもピンとこない方が多いかと思います。そこで、まずは「怒り」という特別な感情について解説していきましょう。

怒りは2次感情

こちらの図をご覧ください。 adler-com_banner18 このように、アドラー心理学では怒りは「2次感情」として考えます。
心配、寂しさ、悲しみ、不安などの1次感情から生まれる次の感情ということです。つまり、人はいきなり何の感情もなく怒り出すことはないということです。
必ずその怒りの前に何かしらの感情があり、その感情を上手く表現すること、伝えること、保つこと、消化することができず「怒る」という選択をしているとも言い換えられます。

まずは1次感情を伝えてみること

湧き上がった感情を抑える必要はありません。出てきてしまうものは出てきてしまうため、我慢をすると体も心も疲弊してしまいます。
4-3でも記述しましたが、もし感情をコントロールしたいと思うのであれば、価値観を変えることです。
しかし「怒り」を少し鎮める方法があります。
それは「1次感情を伝えること」です。
本当は怒りたいんじゃない。寂しかったことを知ってほしい。悔しかったことを聞いてほしい。頑張ったことを認めてほしいだけなのではないでしょうか?
1次感情を伝えたからといって、相手が理解してくれるとは限りません。しかし、一次感情を伝えない限り一生交わることなく、理解されることなく終わってしまう可能性もあるのです。
それなら伝えてみる価値があると思いませんか?
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4章の達成度

この章も楽しく学んでいきましょう!


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